親バカかもしれないけれど、私の娘は優しい子だ。まだ3歳だというのに、猫や犬を見ると優しく撫でて声をかけてあげる。私の具合が悪いときはどこで覚えてきたのかタオルを濡らして私のおでこに乗せてくれる。気にいったお菓子は必ず周囲にいる人たちに配る。小学生のときの私は親に反抗しまくっていて、ありんこをプチプチ潰すのが好きで猫やハトを見かけるとしつこいくらい追いかけまわしていたというのに、わが娘ながら頭が下がる。きっと温厚な夫に似たんだろう…。

そんな優しい娘なのであまり手のかかることはないけれど、この前驚くようなイタズラをした。自分のおもちゃをトイレに流してしまったのだ。それに気づかずに用を足してしまったら、トイレットペーパーが詰まって水が溢れてしまい、隙間から娘の魚のおもちゃが見えてイタズラが発覚したのだ。普段あまり私を困らせるようなことをしないのに、どうして今日に限って…。ラバーカップで吸い上げようとしたけれど、魚のヒレ部分が引っかかっているのかうまく取れず、結局業者さんを呼ぶという大トラブルにまで発展してしまった。業者さんのおかげで無事魚を救出（？）することができたのだけど…。私は厳しい口調で娘に「どうしてこんなことしたの！？」と問いただした。すると娘は泣きながら、「お魚さん、逃がしてあげようと思ったの…」と言った。その瞬間、私は自分がしてきた過去のイタズラ――ザリガニの足を一本一本抜いて胴体を友達に「海老だよ」と言ってあげたり、ピンポンダッシュをして出てきた住人に木の枝を投げつけたり――が蘇ってきた。…私に、この子を怒る資格なんてあるんだろうか…。結局トイレに物を流したらダメだよ、とだけ娘に伝えたが、それ以上は何も言えなかった。夫に似てくれた娘に感謝、である。