匂いが逆流しない、なるほど配管の話

排水溝の奥やその排水溝が繋がっている下水道の匂いは、多くの人が想像している以上に臭いものです。そんな下水道の匂いは、一般的に家屋の中にいる限り匂ってくることはありません。そんなこと当たり前だと思われるかもしれませんが、果たして本当に当たり前でしょうか?なぜこのような問いかけをするのかというと、一番最初にも述べたように排水溝は下水道に直結していますので、普通に考えればその匂いが自宅の方に逆流してくることは十分に考えられるからです。それでもその匂いが逆流してこず、一切匂いがしないのは、その排水溝の配管に特別な仕掛けがなされているからということはご存知でしたでしょうか?

その仕掛けとは一体どのようなものであるのかというと、配管がU字状に曲がっているという仕掛けです。よくシンクタンクの下を見るとこのような形状の配管になっていますよね。あの形状こそが、匂いが逆流しない仕掛けなのです。

その仕掛けがなぜ匂いを逆流させないかというと、U字状になっている部分に水が溜まり、その水が匂いを防ぐ栓のような役割をしています。そしてこの水の部分は、排水溝へ水を流すたびに入れ替わりますので匂いがすることもありません。このような仕組みから、下水などの匂いが排水溝を通じて逆流しない仕組みになっているのです。単純な仕掛けではありますが、十分に機能をしている点を見ると、「なるほど」と思ってしまいますよね。

このU字型の形状のデメリットとしては物が詰まりやすいことが挙げられますが、そのリスクがあっても匂いを防ぐための有益な仕組みであることから、今現在の排水管の多くがこのU字型をしています。ですので、それだけ汎用性が高い仕組みであることが理解できるでしょう。今まで排水溝から匂いが逆流しない仕組みについて考えもしなかった方からしてみると、このような排水溝の形状の仕組みはかなり意外で驚きだったのではないかと思います。